北風と太陽
「あの〜…そろそろ私にもごはんをいただけないでしょうか?あ!いえいえもちろん皆さんのお食事が済んでからで結構でございます。」
それを聞いた子供たちはクスクス笑いながら器にひまわりのタネを入れてリョータにあげました。
もちろんシマリスのリョータはしゃべることはできません。私のアテレコです。
「ちゃんとお世話するから」と約束して飼うことを許してもらえたシマリス。案の定、その契約はあっさりと破られました。
「自分でお世話するって言ったでしょ!!」
ヒステリックに怒るのも一つの方法でしょうが、朝から気まずくなるのは勘弁してほしい。そこで考えたのがアテレコ作戦でした。意外と効果アリ。その後もしばしば使わせてもらいました。
子育て中は暗中模索の日々が続きます。さまざまな情報に振り回されて右往左往するのは全ての母親が経験することです。だからこそしっかり自分の考えを持って足を踏ん張っていなければなりません。
こんなときこそ「根拠のない自信」です
自分が子供をどんなふうに育てたいかを一度決めたら迷うことなく邁進するのです。
もちろん周りの意見や情報も積極的に取り込んで精査することも必要ですが、核になる部分は簡単に手放してはいけません。
だって辛い思いをしてこの子を産んだ母親だもの。それくらいの権利はあるでしょ?
私は早産で双子を産みました。1000g満たない2人がさまざまな危機を乗り越えて日々成長していくのを見ていて思いました。
「この子たちの人生はこの子たち自身が勝ち取ったものだ。親でも干渉する権利はない。」
2人が成人した今もこの考えは変わりません。親である私たちはただ30年先を歩いている先輩がその経験をもとに相談を受けアドバイスすることだけ。あとは本人の判断に任せます。
よく「100点取ったらアレ買ってあげる」とか「お手伝いしたらお小遣い」とかありますが、我が家にその制度はありません。
「コレをするからエライ」ではなく、「コレをするのは当たり前」と捉えて欲しかったからです。
他人に優しくするのも、必要なことを学ぶのも、特別なことではなく当たり前のことなのです。
むりやり親の都合を押し付けるのではなく、子供の意見を踏まえてアドバイスしてあげれば子供は無理なく成長していくのだと思います。
イソップ童話の「北風と太陽」のようにね。
それではまた。ありがとうございました。