はしるおうち〜取捨選択の日々〜

キャンピングカー生活を目指して生活のコンパクト化をしていきます。

油を一滴

来月、私の住む街で重要な住民投票が行われます。その結果でこの街が向かう未来が大きく変わるかもしれません。

以前住んでいたF市では図書館や美術館、劇場などのカルチャー施設がとても充実していて、子供からお年寄りまでさまざまな人たちが多く出入りして活気にあふれていました。図書館には話題の本が並び、予約すれば最新刊が読めます。美術館や劇場にも有名なアーティストが集います。

ところが今の街に移った時に近くの図書館に行ってみたところあまり人がいませんでした。子供たちの姿はちらほらで居眠りしている年配の方が目立ちました。並んでいる本も古い本がほとんどで新刊はわずかでした。劇場を併設した施設は立派なのにあまり使われていないようです。

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先日この街に新しい図書館が生まれました。設計した建築家安藤忠雄さんの言葉です。

「建物は箱に過ぎない。その中には

   宝物が詰まっていなければならない。」

「宝物」とは人々の「好奇心」なんじゃないか思います。中に入るだけでワクワクしていろんなことをやってみたくなるようなそんな施設が多くあって欲しいのです。

未来を担う子供たちだけじゃなく、いろんな世代の人たちの好奇心を掻き立てられるような場所が増えていけば、この街はもっと豊かになっていくんじゃないかと思います。

この街には立派な空箱があちこちに建っています。これではいけないと切実に思います。

問題があるならそれだけ解決すればいいと言いますが、そんなに簡単な話ではありません。

私も経験がありますが、今まで誰も触れることなく済ましてきた「慣例」を動かすことは容易ではないのです。長い時間動かず錆びついた歯車は簡単に回ってはくれません。根本から考え直す時期が来ているのだと思います。

確かに給付金もありがたいのですが、なんだかごまかされているような気がしてなりません。

「お金くれるなら多少のことは文句言いません」

などと言っていては本当の意味での明るい未来はいつまでたっても来ないような気がします。

今回の住民投票での私の一票が錆びた歯車に差す一滴の油になればいいのですが。

それではまた。ありがとうございました。