3回目の成人式
私も今年の春めでたく(?)還暦を迎えました。赤いちゃんちゃんこは勘弁して欲しかったので赤い口紅とお気に入りのオーデコロンを買ってもらいました。
60歳。3度目の成人の日を迎えたわけですよね。
20歳。最初の成人式のときの私は「成人」とは名ばかりのひよっこでした。ただただまだ見ぬ未来にときめきと不安とを抱いていた頃でした。
40歳。2度目の成人の日を迎えたのは世間の不条理に打ちのめされて精神的に不安定な時期でした。悶々と過ごしていたそんな時、まさに助け舟のように新天地への移動の話が持ち上がり、すがるような気持ちで引っ越しを決めました。そしてこの新天地でその後の私の人生を大きく変えるさまざまな経験をすることになるのです。
そして60歳の今、キャンピングカー生活を始める準備を進めながらこのブログを書いて今までの人生の棚卸しをしています。まだまだやり残していることがある気がして忙しい毎日です。
「大人になる」って夢を諦めたり、考え方が現実的になったりとネガティブなイメージが付き纏いがちだけど、ちょっと違うと思います。
夢を諦めたように見えるのは自分ときちんと向き合えたということ。自分が欲しいものが本当にそこにあるのか見極められたということ。
輝かしいだけの「夢」は近づけば消える蜃気楼。
さまざまな葛藤や苦労が現実に存在するからこそ、その場所は輝きを放つのです。
欲しいものを全て手に入れようとするのではなく、「足るを知る」ことも大切だと大人になるとわかってくるのです。
「大人になる」で思い出すのは大好きな映画「繕い裁つ人」でのワンシーン。
家族のため懸命に働いた日々からリタイアした老人たちや、父として母として、生活のために日々忙殺される人々が一年に一度、一張羅の高級服を身に纏い「夜会」と称される大人限定のパーティでダンスを踊るのです。
現実から逃げるのではなく、ちょっと離れて一夜だけの夢の世界を楽しみ、日常に戻ってゆく。そんな楽しみ方も素敵だと思います。
そして80歳。4度目の成人式を迎える頃、私は何を考え、どんなふうに人生を楽しんでいるのかしら。
それではまた。ありがとうございました。