夏の日の少年
夏になると思い出す場面があります。
海岸沿いのベンチで海を眺めていたとき前の道を少年2人が自転車で通り抜けて行きました。2人とも真っ白のTシャツにブルージーンズ。はしゃぎながら自転車を漕ぐまだ幼い少年たちでしたが、なんてかっこいいのだろうと見惚れてしまったのを憶えています。
時はバブル期。子供にもブランドの洋服を着せて街を歩かせていた頃です。もやもやと感じていた違和感を吹き飛ばしていくようなシーンでした。
もちろん子供はブランド品を着るななんて言うつもりはありません。ただあの少年たちに感じた「かっこよさ」の正体を私はまだ解明できずにいます。あれはなんだったのでしょう。
私たち夫婦も還暦を間近にして着る服を選び直す時期が来ました。歳と共に少しずつラインが崩れてゆく身体に合わせて今まで着ていた服を処分し、これからの生活に合った服を考えます。
「老いた身体にこそ上等な服を着せなければいけません。」
敬愛する藤村俊二さんが言っていましたっけ。
若く締まった身体なら安物でも様になりますが、歳を重ねた身体にそれでは情け無いことになってしまいます。ブランドにはこだわりませんが、生地のしっかりした仕立てのいいものを選んできちんと着こなせるようになりたいと思います。
特に主人は仕事用のスーツからカジュアルなシャツやジャケットに替えていかなければいけません。日頃の地道な努力のおかげでお腹はギリ大丈夫ですが、肩や背中に衰えは隠せません。注意深く楽しく選んでいきましょう。素敵なおじいちゃんおばあちゃんと呼ばれる日々を目指して…。
それではまた。ありがとうございました。