はしるおうち〜取捨選択の日々〜

キャンピングカー生活を目指して生活のコンパクト化をしていきます。

子育てのバイブル

子供の頃、母の本棚で見つけて読んでいた本があります。小児科医の松田道雄さんが書いた「私は赤ちゃん」です。いわさきちひろさんの挿し絵が可愛らしくて何度も繰り返し読んでいました。

赤ちゃんの目線で若い両親や周りの環境を描いたものですが、当たり前のことには無頓着でなんでもないことを大問題にしてしまう大人たちがたくさん出てきます。この本で私は子育ての基礎を学んだのだと思います。

f:id:h22cosmos:20200507095107j:plain

私は双子の母です。それも1000g満たない超未熟児で生まれてきました。幸運にも未熟児の受け入れ態勢が整った病院に早い段階で入院することができて、なんとか出産にこぎつくことができましたが、それから数ヶ月間二人は保育器の中で過ごさなければなりませんでした。

たくさんのチューブに繋がれて懸命に生きようとする我が子を私は何もできずにただ見守るだけでした。ちゃんと産んであげられなかった後悔と何もしてあげられない無力感に苛まれる日々。

そのあと何度も危機を乗り越えて無事退院の日を迎えたときは、医療スタッフの皆さんやその他お世話になった方々に感謝感服するとともに子供たちの生命力の強さにただただ驚かされました。

「私は赤ちゃん」では新米ママとパパが周りの情報に翻弄されて戸惑います。良かれと思っていろいろアドバイスをしてくれるのでしょうが、赤ちゃんは十人十色。アドバイスが当てはまらない場合もあるようです。主人公の「赤ちゃん」は

「育児書じゃなく私をよくみて!」

と訴えます。初めての子育てには不安しかありませんが赤ちゃんはお母さんにしか頼ることができません。赤ちゃんが一生懸命送ってくる大切なメッセージを見逃してはいけないのです。

「私は赤ちゃん」は1960年に発行された本なので当然周りの状況は変わっています。最新の情報を仕入れるために私が買った育児書は厳選した2〜3冊。雑多な情報を極力なくしたことでゆったりマイペースで過ごすことができました。もともとのんびりした性格と「私は赤ちゃん」で得た基本のスタンスが良かったのかもしれません。

自宅訪問してきてくれた保健士さんに「初産にみえないくらい落ち着いたお母さんですね」と言われるほどでした。

「私は赤ちゃん」と続編の「私は二歳」は私にとって本当に頼れるいい育児書になりました。

それではまた。ありがとうございました。