はしるおうち〜取捨選択の日々〜

キャンピングカー生活を目指して生活のコンパクト化をしていきます。

傘がない

行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ

君の街に行かなくちゃ 雨にぬれ

冷たい風が今日は心に浸みる

君の事以外は考えられなくなる

それはいい事だろ?

単純に恋の歌だと思っていました。でも「君」が恋人ではなく当時盛んだった学生運動に参加している友人なのではないかと考えてみたら意味合いが変わってきて面白いですよね。歌詞の意味を深く掘り下げてみようという番組を観てから、私に何度目かの井上陽水ブームがきています。

陽水好きの方々が妄想をまじえて歌詞が表現する世界を解明していくのですが、深く幻想的なその世界がとても心地よく思えたのです。

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彼の楽曲は、特にデビュー当初発表された歌は暗くて難解なものばかりでした。若かった私に理解できるはずはありません。「暗くて訳わかんない歌」と烙印を押して封印してしまったのです。

ところがCMや番組のテーマ曲、映画の挿入歌などに彼の歌声が頻繁に顔を出します。

「少年時代」「新しいラプソディー」

「Tokyo」「クレイジーラブ」…

涼やかな彼の声に振り返らずにいられません。

年齢と共にアクの強さも和らいで受け入れやすくなったこともありますが、意識せずに最初からずっと惹かれていたのかもしれません。

難解な歌詞も改めて見ると叙情詩のようで、深く意味を考えるとまた違う世界が広がっていく不思議。彼の魅力は底知れません。

陽水に限らず、邦楽は歌詞もまた大きな魅力だと思います。日本語ならではの言い回しが絶妙です。歌詞カードを読んでみるのも面白いですよ。

森山直太朗の「生きてることがつらいなら」がひとつのフレーズだけ注目されてバッシングを受けましたね。キャッチーなフレーズは関心を集めやすいので仕方ないのかもしれませんが、文句を言うなら全部聴いてからにしましょうよ。

さだまさし「関白宣言」も女性蔑視と叩かれましたね。最後まで聴いたらとても深くて優しいラブソングだとわかるはずなのに…。

若い頃読んだ小説を大人になって読み返すと印象が違うといいます。昔聴いていた歌をもう一度聴いてみませんか?思いがけなく「歌詞が沁みる」経験ができるかもしれません。

それではまた。ありがとうございました。