年に一度のメニュー
我が家には年に一度だけ食べるメニューがあります。
節分の恵方巻きに始まって、雛祭りには「海老ちらし寿司」お寿司と言うより海老のそぼろと刻んだうなぎを入れた混ぜご飯ですね。作り方も簡単で家族にも人気の一品です。クリスマスには市販のルウを使わない本格的な「ビーフシチュー」。
以前は牛タンの味噌漬けをお正月に作っていたのですが、牛肉をあまり求めない体質になってしまったのでやめてしまいました。
そして今年からまた一つ仲間入りしました。
「うなぎ定食」です。
美味しいものが大好きだった父がまだ現役バリバリの営業マンだったころ鋭気を養うために通ったお店のメニューです。
晩年、病を得て病院と施設を往復する生活になってしまってからも折に触れ「あのうなぎは美味かった」と繰り返し言っていました。
私もお見舞いの手土産にその店のうなぎ弁当を何度か買っていったものです。
その父が亡くなり落ち着いたころ、今度は家族であの店の温かい「うなぎ定食」を食べに行きたいと思うようになりました。
そしてようやくこの冬、家族そろって食べに行くことができました。脂の乗った蒲焼きにう巻きと肝吸い。どれも美味しくて大満足でした。
帰りに家族で「これから毎年この時期にみんなで食べに来ようね」と約束しました。
亡き父がそんな私たちの様子を見て嬉しそうに笑っているようでした。
「本当は一緒に来たかったよね」
それではまた。ありがとうございました。